HIGE DE BOIN

堂本剛ファンブログ

『Topaz Love/DESTINY』とC/W『哀愁のブエノスアイレス』

KinKi Kidsの39thシングル『Topaz Love/DESTINY』(1月24日発売)が面白いことになっています。

『Topaz Love』はKinKi二人の合作曲(作詞:剛、作曲:光一)で、アッパーで切ないメロディと口ずさみたくなる歌詞が織り成す瑞々しい王道ポップチューン。『DESTINY』は豪華な演奏陣を迎えたジャジーでロッキンで美味しいサウンドとドラマチックな歌詞のアダルトなナンバー。

『Topaz Love』には昨年のKinKiの景色に重なるキーワードが、『DESTINY』にはKinKi中期のヒット曲『Anniversary』と重なるフレーズが、それぞれ歌詞に織り込まれていて、CDデビュー20周年を迎えた今のKinKi Kidsにしか作れない世界になっています。さすがKinKi Kids。PVやジャケ写の二人の顔面も素晴らしいです。『Topaz Love』のPV剛くんの表情とかたまらんです。美しいです。ワンダホーです。

 

と、下手なレビューはこのへんにして、「なんだか面白いことになってるなあ」と気になったのはC/W。

通常盤のみ収録*1 のC/Wは2曲あり、どちらも力の入った素敵な曲です。『CLASSIC』は作曲がJEお馴染み北欧チーム、作詞がジャニーズのアーティストにも多く楽曲提供をされている天才凡人のMiNEさんです。そんでもって、もう1曲の方の布陣が凄い。

 

『哀愁のブエノスアイレス
(作詞:売野雅勇 / 作曲:林哲司 / 編曲:船山基紀

 

売野雅勇さんに林哲司さん。
私はあまり音楽業界について詳しくないのですが、これは意外でちょっとびっくりしました。たぶん、KinKiをそこそこ知ってるリスナーはびっくりしないと思うんですよ。
KinKiと言えばアップテンポで哀愁感漂うアイドル歌謡筒美京平馬飼野康二松本隆伊達歩
林哲司売野雅勇もドンピシャです。
私もこれが1990年代のKinKiなら驚かなかったと思うのですが、2000年あたりからのKinKiは、アイドル歌謡のルーツは大切にしつつも直球のそれから離れていったイメージがあります。(偉そうに書いてますが、実は私はここ10年ほどのKinKiにもあまり詳しくないので、あくまでイメージです。)

しかも、林哲司さんがKinKi Kidsに楽曲を提供したのは初めて。売野雅勇さんは、1998年発売の2ndアルバム『B album』収録の『イノセント・ウォーズ』以来。『イノセント・ウォーズ』は作曲が坂本龍一さんで、2ndシングルの予定で製作されていた楽曲です。シングル曲は『愛されるより愛したい』に変更になり、坂本教授&売野さんとKinKiの付き合いはこの1曲きりになっていました。

そんな、今まであまりKinKiと接点のなかった超大御所のここへきての参加。

どういう経緯でこうなったのか気になります。
最初からC/Wの予定だったのかも気になる。元からKinKiの曲にする予定で作られた曲なのかも気になる。

今回、雑誌などのプロモーションで語られていたのは、ほとんどが『Topaz Love』の話題でした。素敵な曲ですし久々の合作で話題性も満点ですが、どっか1か所くらい『哀愁のブエノスアイレス』を掘り下げてくれてもいいじゃん誰かー。

 

最近のKinKiは、わりと楽曲制作の経緯が語られているのですが、以前はこういう「掘り下げると面白そうだけど語られない部分」というのがよくありました。
KinKiに限らず、ジャニーズのタレントさんはみんなスターなので、基本的に裏方(という言い方が正しいのか分かりませんが)の話はあまり出てきません。見せないことによって、アーティストを引き立たせているようにも感じます。ジャニーズの人が出演する映画やドラマやバラエティ番組などでは、プロデューサーの意図も普通に語られているので、音楽業界には独特の慣例やアイドルの扱い方があるのかもしれません。

しかし、そういうところが気になるのがオタク心。

 

随分と経ってから、思わぬところでプロデュース側の裏話を目にして面白かったりもします。

個人的に印象深かったのは、『硝子の少年』についての松本隆さんの考察。
以前、ご自身のWebサイトで、
「あの曲は、<山下達郎筒美京平の楽曲を作ったらどうなるのか>という小杉さん*2の実験だったのではないか」
というようなことを話していました。もうサイトがないのでニュアンスです。

 

今回の『哀愁のブエノスアイレス』も、何となく小杉さんの存在が頭に浮かぶのですが、どうなんでしょう。剛くんが去年、入院中にじっくり話をしたというJEの人も気になります。 

いつか種明かしは…うーん、なさそうかな。

 

とにもかくにも、KinKi二人の合作によるKinKi王道の疾走感溢れる切ない青春失恋ソング、中後期KinKiを支えた制作陣によるアダルトでロッキンでドラマチックなジャズナンバー、初期のKinKiを思わせる昭和歌謡の大御所による哀愁歌謡、ジャニーズ安定の北欧チームによるお洒落なバラードと、KinKiの今までをギュッと詰めたような4曲が収録された今回のシングル。アイドルKinKi Kidsの凄みも感じてオススメです。

 

 ※Amazonを貼ろうとしたら高額転売しか出てこない…(白目)。

*1:表題曲2曲の他、【初回盤A】にはカラオケver.が、【初回盤B】には『DESTINY』の各ソロver.が、【通常盤】にはC/Wが2曲収録されています。【初回盤】にはそれぞれPVとメイキング映像収録のDVDも付属。

*2:小杉理宇造さん。音楽プロデューサーでJEの現社長。